パリとニューヨークで思考する

長年NYに暮らし、パリに住み、日本に戻ったアーティストの忘備録。

コロナ治療を探求するフランスと日本

フランスで『外出禁止令』が3/17(火)に施行されてから、25日が経ちました。

今週のパリは24度まで気温が上がり、先週末は人々がブラブラと散歩に出てました。

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天気がいいと外で遊ぶ親子連れが現れる

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サッカーをする子供たち

人々が調子に乗ってブラブラ楽しんでたので、フランス政府から「ここで気を緩めてはいかん!」と厳しい取り締まりが加わりました。

パリでは、今まで1kmのジョギングが許されていましたが、朝10時から夜7時まで、運動は禁止されました。家から1kmまでの買い物、犬の散歩は許されています。

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天気の良い週末は、ジョギングする人で溢れる

公園のベンチでゆっくりしてたので罰金を取られた人もいたそうで、ベンチを撤去する場所もありました。フランスの海岸の街ビアリッツでは「2分以上ベンチに座ってはいけない (=家にいろ)」という禁止項目ができました。

マクロン政権は、アメとムチを使い分けます。

郵便局も閉まるようになりました。特定の郵便局が週3日、制限された時間に営業しています。感染から守るため、一部の郵便ポストも閉まっています。

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テープを貼られた郵便ポスト

『外出許可証 Attestation』はスマートフォン用が用意され、紙に書かなくて済むようになりました。外出する時間と住所を記述すると、QRコードが発行されます。規律を破った場合は€135の罰金です。

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photo via The Local France/AFP

規律を守って、必要最低限の動きだけをし、昼間は穏やかにユルユル歩く行動だけが許可されています。 

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果物屋の前で順番を待つ人たち

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レストランやホテルは閉まっています

まだ感染者数、死者数のピークは来ていないようです。4/15(水) までとされた外出禁止令は、さらに延長される予定です。

高速列車 "TGV テジェヴェ" をコロナ患者の輸送用にし、パリの病院で収容しきれない重症患者を、地方都市へ輸送するスピーディーな対策が取られています。ヘリコプターでの運送も行なっています。

↓ナンシーの駅からメッスへ移動するTGVの中でで働く看護師たち。

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photo via The Local France/AFP

フランスは、コロナ死者の激戦区のイタリアとスペインに挟まれているのに、何とか持ちこたえています。フランスでの死者は1万2000人を超えましたが、集中治療室に入っている重症患者の数は、減ってきました。

死者数1万2000人のうち1/3は、病院に行けずに老人介護ホームで亡くなった人の数です。イタリアやスペイン、英国では、"病院で亡くなった人数"だけを報告し、老人ホーム死者数を発表していないそうです。

英国の新聞『エコノミスト』は、マクロンのコロナウィルス対策について「ナポレオンのようなアプローチ」と書きました。

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photo via The Economist

コロナウィルスとの戦いの中、治療法が求められています。

一番話題になっているのは、抗マラリア薬ヒドロキシクロロキンとアジスロマイシンの組み合わせ。この報告をしたマルセイユ医大のディディエ•ラウル教授は、Wikipediaによると、2014年には欧州で最も賞賛された微生物学者、2020年は世界で一番の感染病の専門家としてランクしているようです。

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ディディエ•ラウル教授 photo via Libération / Ian Hanning

ドナルド•トランプがこの治療法を気に入っているので、「トランプが非公認の変な治療法を薦めている!」とメディアで批判されています。反対派も多いので、製薬会社の戦いとかあるんでしょうか。

今週、マクロン大統領がマルセイユ医大を訪れ、ラウル教授と対面しました。ヒドロキシクロロキン療法は、エリゼ宮のお墨付きになった?

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マクロン大統領とラウル教授

日本でコロナ闘病中の人のTwitterで、ヒドロキシクロロキンを病院で処方され助かった人がいるようです。フランスでは『Plaquénil プラケニル』という商品名です。ただし勝手に独自で飲んだ人が数名亡くなったので、医者の処方が必須です。心臓に来るようです。↓↓

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右がフランスの『Plaquénil プラケニル』(ヒドロキシクロロキン)

  

日本でコロナ治療として期待されている薬アビガンですが、イタリアとドイツが使用することになった以外は、特に情報を聞きません。残念ながら、まだ世界では知られていない状況です。

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photo via WIRED

アビガンは先日、アメリカの人気誌『WIRED』で取り上げられました。『WIRED』に出れば、多数の人に知られるんじゃないかな。ただ米国の場合、臨床試験はできますが、FDA (アメリカ食品医薬品局) に承認されないといけません。

元レーサーのデイモン•ヒルの友人の英国人が、タイのバンコクでコロナ感染になり、発症から8日目で、アビガンを処方されて快方に向かった、というビデオを Twitterで見ました。「日本の薬 Aviganを飲んで良くなった。Aviganは魔法の弾丸だ。」と語っています。アビガンは効くんですね!

↓日本では、アビガン愛が強すぎるラッパーが、アビガンの歌を作りました。

 

また一方で、抗寄生虫薬のイベルメクチンが、コロナ治療に効くと報告されました。ノーベル生理学•医学賞受賞者である、北里大学大村智 (おおむらさとし) 教授が開発したもので、ペットを飼っている方にはおなじみの薬です。

オーストラリアの試験管の研究で、一回で48時間以内にコロナの増殖を止めたそうです。ただし人間への臨床試験はこれからなので、まだ結果は分かりません。

↓英国の薬品サイトで紹介されるイベルメクチン研究の記事

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photo via pharmafield.co.uk

 

さて、治療とは別に、なぜ日本ではコロナ死者が少ないのか?が話題になっています。その一つに、BCGワクチンが原因ではないか?という噂が立っています。下は、南日本ヘルスサーチラボ のBCG解析のチャートです。

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出典:南日本ヘルスサーチラボ mnhrl.com

青がBCGワクチン接種国オレンジがBCGワクチンを中止した国赤が一部の人だけ接種している国です。BCGワクチン接種国の死者数が少ないです。

BCGとは "Bacille de Calmette et Guérin" の略で「カルメットとゲランの桿菌(かんきん)」の意味。Wikipediaによると、日本では1924年、医学者•細菌学者である志賀潔 (しがきよし) が、国際赤痢血清委員会のためヨーロッパに渡航した際に、アルベール•カルメットから、BCGワクチンの株 (Tokyo172) を直接分与されて、日本に持ち帰ったのが始まりです。

20世紀初頭、パリのパスツール研究所のアルベール•カルメットとカミーユ•ゲランが、ある菌を13年間 (!) 継代培養して、BCGの元となる菌株を作製しました。1921年のパリで乳児結核に効果が出て、3年後、日本の志賀潔に分与されました。100年前の話です。

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カミーユ•ゲラン(左)、アルベール•カルメット(中央)、志賀潔(右)

パリのカルメットさんとゲランさんからの菌株!

日本では、独自に培養された日本株が使われ、BCGワクチンのおかげで、日本人は免疫が強くなっているのではないか、という説が出ています。フランスでは、途中でワクチン接種が止められてしまったようです。

BCGワクチンを接種したからといって、コロナ感染しないという訳ではないです。私の妄想では、BCGによって「結界が張られている」状態ではないかと思います。結界があるので、ニューヨークの爆発的な感染状況よりは、ギリギリまで抑えられる、ただし結界を破るような行為をすると、感染する。人の密集した場所に行く、くしゃみや咳の飛沫を浴びる、人と接近して喋る、などです。

手作りでもマスクをして、手を洗って、人と距離をとっていれば、爆発感染は防げるのではないでしょうか。

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日本のコロナ感染対策の専門家ツイッターでも、「日本はニューヨークなどの状況とは全く異なります」とお医者さんが書かれています。日本のやり方があるので、日本の専門家の意見を聞くのがいいですね。

 

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