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映画『女王陛下のお気に入り』感想レビュー

ギリシア人監督、ヨルゴス•ランティモスの映画『The Favorite 女王陛下のお気に入り』を見てきました。私のお気に入りの演技派イギリス女優、レイチェル•ワイスが出ているので、期待していた。

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実は以前、この監督の映画『ロブスター』を、飛行機のエンターテイメントで見て、あまりのつまらなさに後半で消してしまった記憶がある。もう話の設定がアホらしすぎて「時間の無駄!」という感じがしたので。その時は主演のコリン•ファレルに対して、「コリン•ファレルもいい俳優なんだから、こんな映画に出なきゃいいのに...」と思ってしまった。

今回の『女王陛下のお気に入り』は、18世紀のイギリス王室のお話。国政を執行すべきアン女王の代わりに、長年のお気に入りであるレディ•サラが、女王の発言をコントロールしてきた。ある時、レディ•サラの従姉妹であるアビゲイルが使用人として王宮にやって来て、女王の気を惹くようになる。レディ•サラとアビゲイルの間で女同士の戦いが始まる... というあらすじ。私の好きそうな王室の設定だし、衣装も可愛いし、面白いかなーと思ったんだけど....。

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結果。「なんじゃこりゃー!金返せぇえ!!」と、映画が終わった後、スクリーンに向かって石を投げたくなった。「2時間を返せ!」と。今までいろんなインディー系映画を見てきたけど、こんなにイラついたのは久しぶり。

なんかもう...、途中で「これは心が病んだ人間が作った作品だな」と思えてきた。訴えかけるようなメッセージも何もない。

白人の茶番劇だよ。

俳優たちも、迫真の演技をしているわけではなく、皮肉でウィットに富んだシュールな展開に合わせて、"小手先で遊んでいる" 感じ。この映画の全体に漂っている "嫌味なトーン" は何なのか?超シニカルな風刺コメディ。

辛辣、情欲、欺瞞、裏切りを、砂糖でシラッとコーティングしたボンボン菓子のような物語。そんな菓子いらんわ!この映画で唯一良かったと感じた俳優は、やはりレイチェル•ワイス。冷たい役だけど、まだ演技に気品と情感を感じた。

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こういう映画を「切り口に深みがある」とか言って、高評価している映画批評家が不気味だ。「自分には見る目がある」と、悦に入っているんだろうか。

気になったのは、この監督の作品を受け入れれば、「センスがある」と思われるかのような風潮ができていることだ。「俺はヨルゴス•ランティモスの映画を理解できる。だから俺はクールだ」のように。一種のファションか?

大昔 (今もそう?)、ソ連の映画監督アンドレイ•タルコフスキーの作品を、さも理解したかのように語る奴がいたことを思い出した。「俺、タルコフスキー好なんだよね。(俺って、分かってる人間なんだよね) 」という感じで、タルコフスキーの名を口にすることで、あたかも一種のステイタスを得るかのように、語る人間がいたものだ。私は、タルコフスキーの映画を見ると、寝てしまうのだが、そんなことは、その人たちは恥ずかしくて口にできないだろう。「カッコ悪い」ことだから。この『女王陛下のお気に入り』も、同じニオイを感じる。

 

私が腹が立っているのは、批評家が、Rotten Tomatoes 映画サイトで、この『女王陛下のお気に入り』に 94%の評価をつけているのに、その一方、クイーンの映画『ボヘミアン•ラプソディ』に 53%の評価しか与えなかったこと。ありえんわ。こんなビョーキ映画に94点て、なめとんのかァコラァと思わず巻き舌にもなる。

ちなみに Rotten Tomatoesでの一般からの評価は、『女王陛下のお気に入り』は「66点」と、賞レースの映画の中で、かなり評価が低い。多くの観衆が、星1/2 (ゼロ) をつけている。

「最悪。グロテスク。悪趣味。愚か。もっと言う必要がある?ただの浪費ゴミ。」"Awful. Grotesque. Bad taste. Stupid. How many more words do I need to add? A waste."「"裸の王様"と同じ。批評家は知的に思われたくて、この映画が酷いことを誰も口にしないんだよ。」"It's like The Emperor's New Clothes - none of the critics dare to say how awful it is for fear of not being viewed as an intellectual I'm sure."

他の映画の一般からの評価は、『グリーン•ブック』 93点、『ボヘミアン•ラプソディ』87点、『アリー/スター誕生』80点となっている。

 

 ↓ この映画がなぜ酷いのかをさらに説明しました。興味あったらどうぞ。

  

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